灯油値上がりの影響か、この冬、我が家では小型の電気ストーブが活躍しています。
スイッチ一つですぐ暖まり、消しても臭わないのはいいのですが、何か物足りません。
そう、煮炊きが出来ないのです。
子供の頃、冬になると炬燵やストーブのある部屋に家族が集まり、みかんを食べながらトランプやゲームをして遊びました。そのうちにストーブの上に置いてある鍋の中から、豆や大根がコトコトと柔らかい音を立て始め、時々かき混ぜたり、味見をするのが私の役目でした。
今は年末年始を問わず、いつでも買い物が出来る便利な時代。お金さえあれば欲しいものは手に入ります。しかし、「欲しいもの」だけが、「自分にとって必要なもの」とは限りません。
餅つき、大掃除、年始の挨拶、おせち料理、初詣、百人一首、七草粥・・。
一つひとつのことに、自然や大地の恵み、生命に対する感謝と、家族の幸せを願う氣持ちが込められているます。
便利さの影で、そんな伝統と文化が忘れられつつある時代。その意味や心まで忘れてしまわないように、日常生活の中に取り入れ大切にしてゆきましょう。
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