グリーンハンド通信

教育部課長 門田真理子 

GH通信 11月

人間らしく生きていくために

                必要な能力が失われているのでは?


 「今やろうと思ったのに、そんなことを言うから、やる氣がしなくなった」。

子供の頃、勉強ではあまり言われなかったが、部屋の掃除や家の手伝いについて口を挟まれると、だいたいそんなことを言い訳に、やらずじまいだった。
 時代は変わり、口うるさい親や近所のおじさん、世話焼きなおばさんに代わり、丁寧そうで実に無味乾燥なお姉さんの声(音声)が、車を運転する時にも「次は右だ左だ」と親切に教えてくれる。

それにも若干抵抗があり、自分で地図が読めなくなるのは嫌だと、私は未だにカーナビゲーションを付けていない。
 いつの間にか生活必需品となってしまった携帯電話をはじめ「簡単・便利・楽チン」な品物が身の回りにどんどん増えてゆく。

それと引き換えに、自分で考える、苦労して探し出す、必要なことは記憶するなど、人間らしく生きて行くために必要な能力が失われていることも忘れてはいけない。

それらを意図して高めてゆくために、仕事の中でも自分で考え工夫し、人と交わり、手間をかけてつくり出す訓練を、もっと自由に楽しんでゆこう。  


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