グリーンハンド通信

教育部課長 門田真理子 

GH通信 10月

「人から大切にされた経験が、人を大切にする原動力に‥」


 姪の息子2人が我が家に遊びに来て最初にすることは、仏様の前で手を合わせることだ。

持ってきた駄菓子や折り紙で小さな仏壇はいっぱいになる。

姉や私も同じように、小さな頃から買ってきたお菓子や果物・頂き物は、まず仏様にお供えしてからいただいていた。

特に信心深い訳ではないが、日頃から目にする両親の言動から、目には見えない何か偉大なものを大切にすることを教わったのだと思う。
 奈良薬師寺の執事である大谷徹奘さんの著書の中に、戦後の日本人がいちばんなくしたものは「人を敬う」ことだとあった。

親や学校の先生と友だちのようなつき合い方をして仲よしになる一方で、目上の人を敬う心をなくし、正しい言葉遣いも行動も出来なくなっているというのだ。

確かに昭和41年生まれの私たちが子供の頃は、親も学校の先生も基本的に怖い存在だった。家庭の中でも学校でも尊敬語や丁寧語、謙譲語が自然に使われていた。
 人間は誰でも人より優れたところと足りない部分の両方がある。

それを自覚出来た分だけ、年齢や立場に関わらず相手を人間として大切にすることが出来るのだと思う。

そして、人から大切にされた経験が、人を大切にする原動力となる。

そんな好循環を自分からつくってゆこう。


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