昨年の夏、父にアルツハイマー型認知症の診断結果が出た。
半年ほど前から物忘れなどはあったが、「もう歳だし、娘の私でも忘れることはあるから」と、あまり深く考えずにいた。
「念のために早く医者に見てもらった方が良い」と、離れて暮らす姉からの強い勧めがあったお陰で早期発見が出来、薬を飲み始めてから一時よりも良くなった氣がする。
自動車の運転免許証を返納し車を手放すことになり、長年借りてきた畑も返すことにした。
本人の氣持ちを考えるとせつなかったが、一緒に片づけをしたり、お世話になった方に挨拶をする中で、父がこれまで色々な方と丁寧に付き合ってきたのだと知ることが出来て嬉しかった。そして長年一緒に暮らしているのに、知らないことが多いと反省した。
今も優しい氣持ちで接することが出来たり、すぐに怒ってケンカ腰になったり、修行の足りなさを実感する毎日だ。
社内でも一人ひとりが様々な事情を抱えている。
誰かと話をすることで自分の小ささに氣づいて笑えたり、元氣が出てくる。
そんな職場はとても人間らしい。
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