数年前、伊藤専務より「一生懸命やる事を、どう思う。」と問われた。
その時、迷わず「良い事だと思います。」と答えた私に、専務は「どっちに向かって一生懸命なのかが大事だな」とおっしゃった。
私も多くの人も「一生懸命やっている」と思い込むと、自分が何をやっているのか、まわりとの関係や客観的な結果が見えなくなり、もの事がうまく進まない原因を他に求めるようになってくる。今まで自分が繰り返してきた事が、最近になって見えてくる。「一生懸命」だけで集団になるのも、皆がエネルギーをムダにしたり、道を誤ることになる。
自分が見える世界は狭いかもしれないと人に教えを請い、力を借りることは、「いっしょうけんめい」であるほど大切だ。大宝の魅力の一つは、その想いを支え合う仲間があり、また、それを「自ら楽しみながら考えてゆけ」と励まして下さる師がみえる事だ。
自分の都合によって、その有り難い条件をねじ曲げず、正面から取り組む。
それが自分と相手の心を動かす一生懸命さだと思う。
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