泣き笑い   

 

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 小さないのちの教えるもの


 三好支店への小さな訪問者が皆の心を和ませている。巣から落ち弱っていたすずめのヒナを見つけた羽鳥さんが、「このままでは死んでしまうから」と支店に持ち帰った。自分ではエサを食べることができないヒナにストローで食べさせ、元気になった頃外へ放した。一抹の淋しさを感じながらも、他のすずめと一緒に飛んで行ったことを喜んでいたら、翌日帰ってきたという。

 「よしお」と名づけられたすずめは、事務所に出入りする人の肩に止まり自動ドアから入ることを覚えた。外泊(?!)していても早朝点検の日に屋外で朝礼を行っていると、戻ってきて肩に止まり、手のひらを丸めると安心して眠ってしまうそうだ。

 人間のほうがすずめより頭がいい、人様のお役に立っていると勝手に思い込んでいるだけなのかもしれないと感じた時、「人間ほど強欲な動物はいない」と教えられたことを思い出し恥ずかしくなった。

 人にやさしい気持ちを起こさせ、善の行いへと導く小さな生命に学ぶことは多い。


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