平成17年全社講習会

20054月10日 三好町文化センター

4月10日、三好町文化センター サンアート大ホールに正社員約450名が参加して開催された全社講習会で「平成17年度経営基本方針」が小笠原社長、伊藤専務から発表されました。

 

意識変化のスピードを上げ、ぬるま湯的な体質から脱皮しよう。

 小笠原社長のお話  

 春爛漫、今日は花見日和です。

近年、日曜出勤者が増え、ここに参加出来ない人も多いのですが、後日必ず伝えて下さい。

中部国際空港の開港や愛知万博開催により、愛知県は景気が良いと言われていますが、ごく一部に過ぎず、相変わらず厳しい状況が続いています。

 物流業者として会社を存続させ、社会と共生してゆくために真剣に取り組んでゆかなければならないのが、「安全」と「環境」の問題です。事故を起こしてから反省しても仕方ありません。車の運転は真剣勝負です。「心ここにあらざれば視れども見えず、聴けども聞こえず、食えどもその味を知らず」という言葉を胸に、自分の命と他人の命を守る運転を行なってください。

 長引くデフレ不況と原油価格の高騰に伴う軽油の値上げ、車輌購入価格の上昇など、問題は山積しています。

時代の変化の速さに負けないよう、学んで自分自身を変化させ、組組織の力と学びを活かし、全社一丸となって前進してゆきましょう。


 伊藤専務のお話  

1.企業の生成と消滅 

1.企業のライフサイクル 

平成16年度は全社員の奮闘により、新しい業務の確保、業務改善等により、過去2年間の減収減益から脱し、目標にしていた反転の状況を少し作り出すことが出来ました。しかし、ここ5、6年の停滞傾向は依然として続いています。企業は10年間も停滞を続けると、それが当り前の姿となり、その状況から脱却することが困難になります。

  世の中の全てのものに「ライフサイクル」があります。(図参照) 「成熟期」というと言葉はきれいですが、いわば停滞期であり余り発展しません。その状態が10年続くと「衰退期」に向かい死を迎えます。

 

  「企業30年説」という学説があ るように、売上や事故件数、組織の 勢いなど全てが停滞しても、多くの 人がぬるま湯に浸かり、「俺一人ぐらいいいや」と手抜きをしたり、正しい危機感を持たず、新たな方向を見出すことが出来なければ、崩壊は加速度的に進みます。個人もこのことが分からず、少しの 努力で満足して学ぶことをやめると、 組織の中での影響力はなくなり、定 年を迎えるとき淋しい思いをしなけ ればなりません。

  この状態から脱却するには内部の力しかありません。事故や業務上の変化など会社で起きていること全てを他人事と思わず、関心を持ち自分事として考え実行してください。

 2.なぜ会社は消滅するのか 

 @ 社員がその会社の持つ価値観、考え方を知らない(興味を持たない)、分からない、信用できない。

 A 組織の秩序が乱れ保てない。結果として不正がはびこる。

 B大宝を守るのは自分達の努力しかないということが分からない そうならないために、自分達の意志で能力を高め、戦ってゆくことが必要です。経営者、管理者、安全委員、リーダーの皆さんが中心となり一所懸命学び、大宝が目指している方向や価値観、考え方を理解納得し、出来る範囲で正しく行動に移してください。

 3.会社が存続し続けるための三つの信頼

 @社会からの信頼

 Aお客様からの信頼

 B社員同士の信頼

  今年度から経営理念に「社会と」という一節が加わりました。(次ページ参照)事故を多発させ社会的事件などを起こせば、即会社の信用を失います。お客様に信頼いただける個人、企業を目指し、論理性と相手の立場を配慮できる共感性を身につけてゆきましょう。

  仲間同士でももの事が分からないと、単なるキズのなめ合いと信頼関係を間違え、お互いに足を引っ張り合い墓穴を掘ることになります。

  人生はあっという間です。振り返った時に何が残るかは自分次第です。 どこからか幸福のぼた餅が落ちて来ることはなく、自分でつくり出すしかありません。私が個人的に100%責任を負うことは出来ませんが、皆さんに対して出来ることは、なるべく大宝を消滅させないことと、大宝で働く皆さんに学ぶことの大切さと喜びを共有出来る様にすることです。学ばないということは、自分の人生を捨てたということです。その覚悟を持たなければなりません。

  運転免許を取得するために費やした時間は1ヶ月前後です。そこで身につけた知識と技能だけで一生通用するほど世の中は甘くありません。 自分の人生を考えた上で、何が最もプラスなのかを考え、そうだと思ったら学んでください。

2.学ぶことで人間性を高め、 志を持って生きてゆこう

 1.学ぶ組織と個人は 明るく変化する

  この一年で管理者やメンバーの中に年齢に関係なく変化、成長し始め た人が増えてきました。そういう人がいる支店は明るく勢いがあります。 港支店や犬山支店、最近の金山支店がその代表です。志とは自分はこういう人間になりたい、支店をこうしたい、将来大宝を背負って立てる人間になるなど、大きな目的を持ち努力し続けることです。大半の人が持つことが出来ないのは、人間性が低く人間の器が小さいからです。「自分が食べていけさえすればいい」と思った途端に、他の事にエネルギーを使わなくなるのが人間に強欲さです。

  全員が志を持つことは不可能ですが、少しでも持った人同志が話し合い、さらに大きく楽しくすることで仲間を増やしていってください。 今年度は「年間優秀支店制度」を導入し来年のこの席で報奨いたします。

基準は@安全活動を行ない事故が無い A人が育っている、結果と して組織がイキイキしている B業務上の改善が進み成果を上げている の3点です。

  また、目標達成に向け適切に柔軟な組織運営を行なってゆきます。

その第1項目は本社と支店、各支店間、職種間、職務間にある壁を更に低くすることです。「ここしか嫌だ、これしか出来ない」では変化に対応することは不可能です。皆で力を合わせ勇気を持って挑戦してください。

 2.関心が持てないのは「エゴ」

  安全活動日本一を目指す意氣込みと内容を持ち、交通事故・労災事故を限りなくゼロに近づけてゆきます。

昨年度交通事故五件以内、労災事故1件以内の目標に対し惨敗でしたが、今年も再度挑戦します。決して生半可な数字ではありませんが、これを達成することが社員の命を守り、社会的信用を守ります。

  精神の育成度合いや能力、事故歴、行動のクセなどを出来るだけ把握し、各人にあった指導を強化するために、管理者、安全委員、リーダーの皆さんは出来るだけメンバーに対する関心を持ってください。

人間関係や組織を良くするもとは、相手に対する関心度合いです。間違ったことをした時に怒る事も関心の一つです。無関心は学校のいじめと同じです。無視するということは相手の存在を認めない、否定することです。その結果相手も無視します。人間関係は相関関係で成り立っているのです。

 3.戦後60年で 我々が忘れた大切なもの

 @恥:エゴをむき出しても平気。自己保身のためなら人の足を引っ張る

 A誇り:学んで自分を鍛えた分だけ自信を持つことが出来る。ただ生きているだけでは持てない

 B自分に対する自信:食べることすら困難な時代を生きてきた人たちに比べると、お互いに甘えている。本当の努力と修行をせず自信を持つことは出来ない

 C責任:責任転嫁、自己保身、自己弁護が蔓延している

 D明日に向かっての希望:刹那の快楽は求めても、人間としての快楽(学ぶ、成長する、人の役に立つ)を求めない市場主義経済の嵐が吹き荒れる中、個人としても企業としても生きてゆくのは大変な時代です。

大宝運輸は小さな会社ですが、そこで働く私達が生き活きと学び、働き、成長・発展することで、面白い会社にしてゆきましょう。


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