昭和24年生まれの私の子供時代は、まだ国が豊かではなく、母の日に贈り物をする風習はなかったと思います。 私自身、感謝の気持ちを言葉や物で表すのが苦手で、気恥ずかしく、特別に母の日に何かをしたことは全くありません。 唯一のプレゼントは成人した折、母が大好きだった舟木一夫が御園座で公演した時のチケットを贈った時でした。その時も照れくさく、ぶっきらぼうに手渡した事を覚えています。 女手一つで5人の兄弟を育ててくれた母も他界し、まもなく30年が過ぎようとしています。 母の苦労が少しですが理解できる年齢になり、ねぎらいの気持ちを表していたらと、今さらながら後悔しています。 母がのんびり出来たのは、1年のうち正月の3日間だけでした。 私はその3日間が1年のうちで一番好きなひと時でした。母と過ごした時間は短いものでしたが、その思い出は心の奥底にしまってあります。 これから私にとっての母の日は、日常の生活から忘れ去られてしまっている母を、なつかしく思い出す日としたいと思います。
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