違いがわかる、大宝語録?
言葉の意味を知るために、国語辞典を開きます。すると、書いてある説明の意味が分からず、その言葉を調べる。またその意味が分からず・・・。それを続けてゆくと、最終的に「○○の意」と、最初の言葉に戻ってしまったという経験はありませんか?
そんな言葉の言い換えを極力無くした国語辞典もありますが、もっと簡潔で分かりやすい解説をして下さるのが、伊藤塾長(専務)です。
それまで同じような意味で使っていた言葉も、その解説をお聞きした瞬間、その違いが頭の中にイメージとして浮かび、「あー、そうか!」と、思わず感動します。そして、その喜びは、言葉に対する興味へとつながります。そのいくつかを、体験談を交えご紹介します。
目的と目標
「目的」の方が、「目標」よりも大きなもの、というイメージを持っていました。そこで教わったのが、「目的は終着駅、目標は通過駅」というシンプルな説明。
「あー、そうか」と、妙に納得しました。
平等と公平
自分だけが叱られたり、大変な目にあうと、「そんなの不公平だぁ」と、叫びたくなりますが、何が平等で、何が公平なのでしょうか?
国語辞典[三省堂 新明解 国語辞典]では、
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平等 とは、その社会を構成する、すべての人を差別なく待遇すること。
・
公平 とは、〔問題になっているものを〕自分の好みや情実などで特別扱いすることが無く、すべて同じように扱うこと。
とあります。
中には「平等」を引
くと「公平のこと」、「公平」を引くと「平等のこと」という辞書もあります。???
そこで教わったのが、「チャンスは平等。結果は公平」「平等は入り口。公平は出口」という説明です。
これはまさに大宝の経営基本方針の中の「教育立社」「門戸開放」にあたります。学ぶ場と機会は、すべての社員に与えられています。(=平等)そして、実際に学び努力を継続し、人格・能力を身につけた時、それにふさわしいチャンスが与えられます。(=公平)
最終的に、努力してもしなくても結果が同じ、というのは不公平なのですね。
※小学校の時、クラスに公平君という男の子がいました。ちょっぴり太めの公平君。習字の時間に名前の「公」の字を、のびのびと書きすぎたため、「ハム平」と呼ばれるよになってしまいました。お父さん、お母さん、公平君、ごめんなさい。
頑固と迷妄
「よく、人から頑固だと言われる」と、ちょっぴり自慢げに話す人がいます。
でも、それって本当に頑固?
この後の説明を聞くと、ちょっと自慢できなくなるかもしれません。
はじめに国語辞典で、よく用いる意味を調べると
・
頑固(がんこ) とは、周囲の反対にかかわらず、どこまでも自分の主張を貫き通す様子。
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迷妄(めいもう) とは、物事の道理を知らないために持つ、まちがった考え。心の迷い。
現象面は似ていても、大事なことは、そのもとの考えが、一般的に言って正しいかどうかです。
「頑固とは、言っていること、やっていることは正しくて、時代の流れには合わなくても、損得抜きで通し続けること」
「迷妄とは、多くの人がそれはおかしいと言っているのに、本人だけが正しいと言い張っていること」。
そう考えると、「頑固」という言葉を気安く使えなくなりますね。
意味も分からず、無意識に使っていると、相手に対する「善の悪」(=一見親切そうで、実は本人のためにならないこと)になってしまいます。
自分の
間違いを認めず、「俺は頑固だから」と開き直る人がいたら、「それは迷妄だよ」と教えてあげましょう。
※
頑固親父のラーメン屋は、時々見かけます。客商売なのに無愛想な店主。でも味はおいしくて、行列してでも食べてみたいというお店のことです。
では、「迷妄親父」が作るラーメンを、食べてみたいですか?
自由とは?
人から指示をされると、「もっと自由にやりたい」と言い、実際に任されると、単なる自分勝手に終わりまとまらない、ということがあります。
そんな「自由」に関して、私がこれまでに聞いた話の中で、「なるほど!」と思ったのが、次の説明です。
英語で「自由」を表す単語は二種類あります。
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freedom(フリーダム)
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liberty(リバティ)
フリーダムは、肉体的・精神的に束縛するものから解放されることを意味し、リバティの方は、創造する自由を表しています。
単なる自分勝手ではなく、主体性を持った自由を獲得してゆくためには、自ら学び、考え、判断し、実行し、責任をとる、ということが分かり、行動できる個人、組織になることが前提なのです。
本音(ほんね)は正しい?
個人面談やグループ会議を終え、「今日はお互いに本音が言えた」、と満足することはありませんか?
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本音 とは、口に出しては言わない(言うことがはばかられる)本心
会議の目的が、「まずは、お互い
が思っていることを出そう」ということならば、それもいいのですが、「本音=正しい」とは限りません。
口に出して言わない、言えないという時、自分の都合が大半を占めている場合が多いのです。
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