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新 年 の ご 挨 拶

組織と個人の質的向上を図り大宝の独自性を再構築しよう

    代表取締役社長 小笠原和俊 

 2006年(平成18年)の新年を迎えました。

社内外の多くの皆様のご指導、ご協力、ご尽力によって、厳しい状況下での1年を乗り越えることができたことに、心よりお礼を申し上げます。 

 マスコミの一部では、日本経済はデフレを脱却しつつあり、景氣も回復基調にあると報道されています。確かに金融機関、自動車産業、鉄鋼、そして、一部のIT産業を中心とした大企業では、売上や利益の大幅な改善がなされています。

また、株式市場での株価の上昇という現象も現れています。しかし、多数の企業は未だにそれを実感できるような状況ではありません。

  私たち物流業界は、自然環境への対応や安全の確立を強く求められ、それに対応すべき車輌の代替などが、大幅なコストアップにつながっています。さらに原油の高騰により、燃料単価が昨年対比で30%以上上昇しました。それらが残念ながら料金になかなか反映できず、業界全体としても大幅なコスト増の要因の一つとなっています。

  そういう情勢の中で当社も苦戦を強いられました。苦戦を強いられたということは、当社に時代の変化に対応する実力が欠けていたということです。様々な面で弱点が露呈した部分が有りますが、そういう点について、それぞれの立場、責任において真摯に分析し、反省してゆくことが、新年度新たな発展を目指してゆく時、絶対条件となります。

  それを考えてゆく上で必要な要点を3点に絞って述べてゆきます。

その第一は、『変えてはならないもの』と『絶対に変えていかねばならないもの』を、当社の原点に戻って、もう一度明確にし自覚することです。

 今、変えてはならないものは、「経営理念」であり「経営基本方針」「安全活動三つの意義」「社員七則」など、当社の経営の根幹をなす考え方です。

これを抜きにして社会やお客様、社員の方々の満足を創り出してゆくことはできません。反対に絶対に変えてゆくべきものは、支店間の壁、職種間の壁をさらに低くし、会社全体の生産性を高めてゆくこと。社員一人ひとりの意識と意欲と技術を向上させてゆくことです。この両方を実現するためには、学んで少しでも本当のことが分かる努力が必要です。

  第二は『量的拡大』と『質的拡大』を、どのように実現してゆくかということです。本来、量的拡大と質的拡大は、平行して実現することが望ましいのですが、様々な環境変化により、いつもそれが実現できるとは限りません。現在の当社はそのスタンスを、『質的な拡大』に重きを置く時です。営業展開の質、業務遂行の質、安全活動の質の向上です。その核となるのは当然ながら社員の質の向上です。

  第三は『当社の独自性』の再構築です。当社は30年前から「教育立社」を掲げ、社員の人間的な成長を図ることによって、会社を発展させようと考えました。当時としては先進的な哲学でしたが、現在はその教育内容の質は別としても、どの同業他社でも様々な教育が行なわれています。

  独自性とはお客様の企業、同業他社にはない、すばらしいものを持ち、企業として一味も二味も違う、差別化できるものを確立することです。独自性のない会社や個人は、社会的に淘汰されたり、奴隷化されるという「悪魔のサイクル」に陥ってゆくのです。

  以上、様々なことを、社員の皆さん一人ひとりが自分事として考えていただき、この一年を少しでも楽しく、生き活きできる会社にしてゆきましょう。

  最後になりましたが、皆様のこの一年のご多幸を心より念じています。

平成18年元旦


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