すぽっと らいと   3月

 

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ゆめこころざしき

夢 志 記


書くことで自分を認める

  辻井 卓夫

 自分は基本的に善い人だと思って生きてきました。だから「強欲だ」と言われた時は、「自分よりあの人の方が欲張りだ」「人間だからしょうがない」と心の中で言い訳をし、自分を納得させていました。「強欲日記をつけてみよ」と言われた時は、「なんで私なのか」と心の中で反発しました。これも見たくない自分から散々逃げていたからですが、この機会に始めることとなりました。  自分のまわりで、ものごとがうまくゆかない。今までは相手のせいだと思ってきました。うまくゆかないという事実も認めていませんでした。まわりの人のためを考えているように見せようとすることが善意だと思っていました。自分の怠惰やごまかしを隠すために頑張っていました。  毎日、誰かに腹を立てた時、何か自分がものを言ってまわりの人の反応がおかしいと思った時、自分の氣持ちを日記に書きました。読み返してみると、「やってしまった」と思います。こんな人間は嫌われると納得する度に、不思議とだんだんすっきりしてきます。  書くことは自分を見ること、知ることでした。自分が出している強欲さを認め、何故それを出し続けるのかと自分と向き合い、それを小さくしてゆくにはどうするかを考え書き続けてゆきます。   


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