すぽっと らいと   10月

夢志記

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日々生きていることに感謝

丹下 知彦


 今年に入ってから子供の病状が悪化した。

最近まで入退院が続き、看病で妻も体調を崩し、私も妻も精神的に参っていた。

何をすれば良いのか全く先が見えず、目の前の子供の看病だけで日々過ぎていき、家族から笑顔が消えていた。

 夫婦でとにかく頑張ろうと氣を張っていたが、先の明かりが見えない。

そんな時、諸先輩から声を掛けられ、色々と助言をいただいた。一番印象に残っていることが、子供は夫婦だけで育つものではなく、様々な人との関わり合いが子供を育てるというもの。

考えた末、妻と子供を富山の実家に預けることにした。

1ヶ月後に様子を見に行ったところ、通院は続いているが子供の病状は快方に向かっていて、妻も子供も笑顔だった。人は一人では生きていけない。周りに支えられて今の自分がある。それが実感に変わった。

 無形のものに氣づく感性を磨き、見えないものが見えてくると、日々感謝の氣持ちが生まれる。人との接点が広がり、家族の幸せを願う思いが大きくなると同時に、自分のことを省み考える時間が増えた。助けていただいてばかりの自分。少しでもお返しができるよう、もの事の分かる幅を広げ、より人間性を高めていきたい。


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