すぽっと らいと 3月

夢志記

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学ばないほど不自由になる

山田 賢一郎 


 「自由になりたい」とよく言っていた。

校則は自由を奪うとか、会社のルールが悪いから生活が苦しいと、よく愚痴を言った。自分が苦痛に感じるものは全て人のせい。両親が悪い、他人が悪い、会社や社会は敵だと思っていた。

 先日、短期間の入院をきっかけに頭を坊主にした。今まで外見を氣にし、「素直になったら恰好が悪い」と自分を縛っていたことに氣づいた。子供たちには不評だが妙に清々しい。何もない、何も分からない自分を認められず隠していた。恰好をつけようとして自分で自分を縛っていた。

 会社や社会にもルールがあって自分や家族が守られている。ルールを誰も守らない方が不自由は大きくなる。自分を守ってくれる様々な人や、大きな枠組みに氣づき感謝できる方が、精神が自由になるように思う。

感謝の氣持ちを素直に出したら、もっと自由になる。

 自分の無知、自分のエゴが自分を縛っている。認めることができなかったことを認める、分からなかった事が分かる、そして、できることを拡げてゆく自由がある。自分で自分を縛らないために学んでゆく。


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