すぽっと らいと 12月

夢志記

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阿呆の慢心

 上杉 超治  


 社内報新年号の「夢志記」。

思わず「いいことを書かねば」と恰好をつけてしまうが、この原稿をいただいたのはちょうど伊藤専務に「お前もつまらない欲が出てきたな、人相が悪くなった」と言われた直後。正直言って「そっとしておいて欲しい」と思ったが、これも修行させていただくのかと氣持ちをあらためた。
 約4年前、当社で一番若年の支店長にしていただいた。

何もわからず何もできず、事故を多発させ退職者も続出させた。少しでも支店の社員をわかりたい、心を開いてもらいたいと思った。

伊藤専務にすすめられることを、自分の力量で支店の中で具体化するため、自分から心を開き社員に近づき力を貸してもらうよう頼んだ。

上司や管理者の皆さんもいつも心配して助けて下さった。闘病中の父の姿も私の心に張りを与えてくれていた。
 何が違うのかというと、力もないのに人のお陰で少しうまくいったのを自分の力と思い違い、素直に心を開くという姿勢すら失って恰好をつけはじめていた。

本当に自分がわかり、ものごとに対応するような力をつけないから恰好をつけていた。阿呆の上に慢心したら何の魅力もない。

叱っていただけることに感謝し、ゴマカさず自分を鍛える。


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