和 合 塾 で 学 ぼ う

4月和合塾定例会

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伊藤塾長講和

1. 今見直されている "現代の武士道"

  私は十年程前から「自ら学び、考え、判断し、実行し、責任をとる "現代のサムライ"になろう」と言い続けてきました。そして、今、日本の「武士道」を見直そうという動きが出ています。バブル経済崩壊後、早く激しく変化してゆく時代に、自分の考え方の主体性を持たなければ、個人も企業も流されてしますのです。

(武士の誕生と歴史については次ページ参照)

「節義」を身につけ 人生を面白くしよう

  日本独自の、人間として普遍性のある考え方・精神を表わす「武士道」のバックボーン(背骨=一番中心にあるもの)は「節義」です。

  節とは卑劣な事をしないということです。

 ・不正を働かない

  ・弱い人をいじめない

  ・自己保身のために責任転嫁しない

  ・嘘を言わない

  ・ごまかしや言い訳をしない

  ・つまならないところで見栄を張らない

  ・その他

  個人の人生も組織も節がなくなったら崩壊します。今の世の中は、金儲けのためなら何をやってもいいという風潮があります。その中で人間として誇りを持ち、面白く生きようと思ったら、「節」を持つ=卑劣な事をしない、と自覚し努力をしなければなりません。

  義とは、人としての正しい道、正しい行ないです。そのもとは「自分が成長する努力」と「人のために役立つ。少しでも社会の役に立つことをする」ことです。それを身につける努力をすることが、事故を起こす危険性を低くします。

  この「節義」について日常的に考え努力を続けることで、自分の根っ子(考え方のもと)が出来てきます。そうやって身につけた分だけ、その人の言葉や行動に重みがつき、相手に伝わり、人間関係や学ぶことが楽しくなる条件が生まれてきます。

  誰もが自分の命、人生を大事にしたい、もの事が分かるようになりたい、人の役に立ちたいという欲求を持っています。現に今日も約150名の人が学びに来ています。学ぶ目的は言葉や概念を身につけ、人生で活かすことです。皆さん一人ひとりが面白い人生を歩み、結果として大宝を面白い会社にしてゆきましょう。

2.感謝

  「感謝」という言葉はよく耳にしますが、単に言葉を覚えるのではなく、それが何を意味しているのか、どこから生まれてくるのか、論理として分かり、実際に感謝できるかどうかが、その人の成長のカギを握っています。

  世の中は全て相関関係で成り立っています。相関関係とは二つのものが深く関わり合って存在しているということです。和合塾が成立するのは、今日話をする私(塾長)がいて、話を聞きに来てくれる皆さん(塾生)がいるからです。会社と社員の関係も同じです。会社は社員が存在するから成り立っていることに感謝し、社員は会社が有るからそこで働けることに感謝し、経営資源を大切にしてゆかなければなりません。

  生きるということには、@生きねばならない A生かされている という二つの側面があります。そして、大半が生かされています。もの事が分かるとは、この二つ(相関関係と生かされているということ)が分かり、感謝できることです。   親子の関係にも色々な背景がありますが、今こうして自分たちが生きていられるのは両親のお陰です。その親に感謝できなければ、他のことに感謝することは出来ません。

自分を大切にするサイクル

   感謝が出来るようになると、使命感が湧いてきます。乗務職員であれば、事故は絶対に起こしてはいけない、クレームを出さないようにしようという強い意志を持つことです。

  すると次に、どういう責任感を持ち、具体的に何をするべきかを考えるようになります。「命をなくしてはいけない、人や会社に迷惑をかけてはいけない。だから体調を整え、万一、運転中に眠くなったら車を止めよう」と、正しい考え方や判断が出来るようになるのです。また、「使命感」と「責任感」が大きくなると、エゴが小さくなり、自分さえ良ければいいという言動が少なくなります。

 このように学ぶことなくして、本当の安全活動は成立しません。大宝で働く全ての人の安全を確保し、日本一事故の少ない会社を目指すためには、みんなが真剣に学び変化しなければならないのです。「働くために会社に来ているのだから、業務を行ない給料を得て、生活が出来ればいい」と、学ばない人も多いのですが、「メシを食うこと」と、自分の命を引き換えにしてはいけません。

  責任感を持ち行動し続けてゆくと、結果として意欲、やる氣が湧いてきます。そして、何度も繰り返し考え、身につけてゆくことで、本物の意欲につながります。

  その意欲を持ったとき、本当の学ぶ姿勢が出てきます。そうやって自分が変化、成長していることを自覚できるようになり、第三者からも言われるようになると、実際に努力した分だけ自信がつき、カラ威張りや見栄を張るのではなく、自分という人間に誇りが持てるようになります。

   明るい職場とは

  このサイクルが分かってくると、面白い人生を歩むことが出来るようになります。そして、そういう人の数が増えると、支店や会社が変わってきます。数年前までは事故が多く、学ぶ人の数もリーダーシップを発揮する人の数も少なかった港支店が、ここ数年で明るく勢いのある組織になってきたのも、このプロセスを踏んできたからです。本社がお互いの阿呆さ、強欲さ、小心さをオープンに指摘し、氣楽にまじめな話が出来るようになったのも、本氣で学ぶ人の数が増えてきたからです。

  管理者、リーダーのみなさんは、自分たちの力で、会社に来て働くことが楽しくなる条件をつくってください。いつも「くさった顔」をして、周囲の人に関心を持たず、自ら学ばない、成長しない人に、部下や相手に対する愛情はありません。皆で少しでも面白く、納得できる人生を生きるために、学び成長し、その力で自分やみんなが楽しく働ける職場をつくってゆきましょう。


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