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大宝の歴史と変化を知り、良さと面白さを守ってゆける力をつけよう


犬山支店 中尾 繁人

 31年前に軽い気持ちで入社した。ある年の冬、家が火事に遭い家族以外の全てを失った時、皆さんが助けて下さり、仲間の温かさを知った。  その後、安全委員になり会議で伊藤専務のお話を聞き、自分の考えが変わった。まず支店内で社員七則を守るよう働きかけたら、反発があり嫌がらせを受けた。当時は運動会で役割を決めても、半数が当日欠。支店の慰安旅行でもケンカだった。

 伊藤塾長(専務)は私が悲しい時は一緒に泣き、苦しい時は一緒に苦しみ、嬉しい時は笑いながら抱きしめて下さる。そんな方に人間として惹かれていった。初めて塾長から頂いたメッセージは「根っ子は目立たない。しかし全てを支えている」。 途中、挫折し逃げることもあったが、いつも心の中に伊藤塾長がみえ、一所懸命努力している人の足を引っ張らないという自分の支えとなった。今も会うとほっとし、時には怖い。専務の前では子供の様に素直になれる。迷惑をかけたくない。

 大宝の歴史は他人が作ってくれるのもではない。これまでの先輩方の努力の上に、大宝で働いている自分たちが全員で作り上げてゆくもの。私も年間目標である「日本一事故の少ない会社」を実現し、胸を張って大宝を去りたい。


中川支店支店長  K M

 22年前、37歳の時、家から近いという理由で乗務職員として入社した。「いつ辞めようか」ばかり考えていた。今日があるのは、当時安全委員だった方のお陰。2級整備士の資格と大型免許を持ち、業務は一所懸命だったので、2年で事務職員になり運行管理を任された。雨の日、7人が当日欠勤するなど、先輩社員からの抵抗に苦労した。

 約20年間「自分はものが分からない」ということが分からず、上司からの指導に「こんなに一所懸命頑張っているのに、何の文句があるんだ」と思っていた。いま思えば恥ずかしいが、無知ゆえにものが分からない者同士で話をしている時は、結構楽しかった。 若い頃から戦争映画『コンバット』が好きだった。最前線で命を懸け戦い、部下を守るサンダース軍曹に憧れ、防空壕の中から無線一つで「進め!」と命令する上官と、本社の上司を重ねて反発していた。全員が戦闘員では、組織が成り立たない。全体を見て指揮する人、後方支援をする人がいて、自分たちがあると分かったのは数年前。  縁と出会いと選択によって人生は決まる。しかし、考え方がズレていると、全て判断を間違える。その時、正しい方向に導いて下さる方がみえても分からない。

 自分の本質的なズレに氣づいたのは約1年半前。自分が正しい、自分でなくてはできないと思ってやっていたことが、相手を傷つけ、部下の成長を妨げていたことを知った。自分のエゴに氣づきコントロールしはじめると、今まで自分のことを避けてきた人が近づいて来てくれる。自分も怖いと避けて来た人の温かさを知った。ものの見方、考え方が変わると、今までとは全く違うモノが見えるようになる。人生も仕事も面白くするために、ものが分かる努力をし、皆で大宝を守ってゆこう。


大宝運輸労働組合事務局 N T

 32年前、犬山支店の前身である守山営業所に入社。当時、支店と本社の交流はなく、社長の顔も知らなかった。社員は制服を着ず、カラフルなタオルでねじり鉢巻き。口は悪くても、心根の温かい方がたくさんいたが、小さな事故は日常茶飯事という状態だった。

 半年後、現在の伊藤専務(塾長)が入社され、社長と共に組織風土の刷新を図られた。「今更。何で」という空気が多い中、社員教育、自主参加の勉強会、各種プロジェクトが行なわれ、朝礼や早朝点検、運動会やイベントなどが始まった。組織にとって人が一番大事と考え、正しい方向を示して下さる指導者の下、組織が変化していった。

 組合事務所には退職された方が積立金を受け取りにみえる。「苦しいこともあったが懐かしい。ここで学んだことは一生の財産」という方もいれば、散々不満を述べて去る人もいる。人は楽な方、易き方に流される。

 歴史を知ることは、現在を知ること。現在あるものを当たり前と思わず、自分のため、愛する家族を守るため、みんなのために頑張ろう。大宝という会社、皆さんに出会えたことが私の幸せ。心から感謝している。


常務取締役 S T

 大宝の創業は1920年。多くの方に支えられ、社員と家族を含め何万人の方の人生があり、また、大宝にお世話になった。大宝の歴史が大きく変化したのは、考え方の変化によるもの。30年前、伊藤専務が入社され、「人間は学べば必ず変化、成長し、自分も周りの人も幸せになれる。一人ひとりが可能性の塊。自分で楽しさや面白さをつくり出せる人間になれ」という考え方のもと、社員を信じ愛し、温かく時には厳しく指導して下さった。

 私は26年前、22歳で入社。支店と本社、社員と管理者がお互いの役割が分からず、争いもあったが、学び管理者になった人達が、リーダーシップを発揮し、労働組合委員長も代わった。今、思い出しても、血湧き肉躍る時期だった。

 私はエゴをコントロールできず、むき出してしまう自分を、人に知られるのが怖かった。必死で隠そうとしてきたが、入社後間もなく伊藤専務に話すと、「人間は誰もがエゴも美しい部分も持っている。エゴもエネルギーの一つ。強ければコントロールし、人に役立つ様に使え」と教えて下さった。嬉しかった。

 現在、世の中は拝金主義に偏っている。金儲けのためなら何でもするという個人、企業も多い。そんな時代に、人間が大事だと考え、学び、成長できる場がある会社は少ない。ありがたいと思ったら、自分のあるがままを認め、学び成長し、人に役立てる力をつけよう。そして、仲間を増やそう。年齢や肩書きは違っても仲間。おかしい所、良い所を認め合い、共に自分と闘ってゆこう。


伊藤塾長のまとめ

 歴史の勉強ほど大切なものはありません。歴史の延長線上に「現在」があります。また、自分と会社と日本、世界、宇宙の歴史、全てがつながっています。歴史を学ぶとは、次のようなことを知ることです。

1. 一瞬一瞬の時間のつながり、経過を知る

2. いろいろな変化、成長、発展のプロセス、背景、要因を知る

3. 人間が大きな変化を求める原因を知る

 4. その変化を起こしたエネルギーの実体が、どこにあるのかを知る

 人間は強欲で、何の努力もせず幸せになりたいと望んでいます。しかし、意識するか無意識かは別として、自分の歴史は自分が作り、会社の歴史は自分たちが作っています。これを自覚できる人が増えれば増えるほど、困難を乗り越え発展してゆくことが出来ます。逆に、愚痴と怠けと迷妄ばかりの人生からは、まともな歴史は出来ません。

 現在は奴隷制社会ではありませんので、会社を辞めても構いません。しかし、学んで少しでも、もの事が分かるようにならなければ、どれだけ転職しても、自分で商売を始めても、うまくいきません。ものが分かる次元を上げるための場(勉強会、各種イベントなど)を活かし、身につけて下さい。

 会社は偶然発展したり、倒産したりはしません。どちらの場合も、必ず背景と原因があります。おもしろい、楽しい職場は、自分たちの努力で歴史を動かし、楽しいと言える職場をつくる以外にありません。そのために一人ひとりが何をするのかが肝心です。

 「我々が大宝の歴史をつくる主人公である」ことを自覚し、事故を無くし、業績の向上を図ることによって、経済的にも安定し、自分の将来を考えられる、希望が持てる職場にしてゆきましょう。


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