真似る→真似び→学び
「学び」の語源は「まねび」=まねることです。粕谷さんが大宝での五年半で少しまねることが出来るようになったが、学ぶという段階までいっていないというのは正しい自己認識です。大半の人が自分では学んでいるつもりでも、まともにまねる努力もせず、学んでいると錯覚してしまいます。「まねび」から「学ぶ」の段階に入っていくには時間がかかります。まず、まねるための材料集めである本を読むこと、レポートを書くこと、原理原則を知ることを大切にしましょう。学んでもの事が分かるようになることが、人間として社会に通用する自分をつくる道です。
信頼はもの事が分かる度合に比例する
長谷川さんと森田さんが「信頼される人間になりたい」と言っていました。
これは人間関係の中で最も難しいことですが、そういう氣持ちがあるのは「できればリーダーになりたい」という思いがあるからです。
今から人から信頼されるために必要なものについてお話します。
1.要望性
これは人間として自分がこうありたい、こういう組織・会社にしたいなど、自分の考え方をつくること。そして、それを周りの人たちに分かってもらえるように働きかける力です。
2.通意性
これは「それはこういうことを意味している」「あなたにこういうことを期待しているのですよ」というやり取りを通してコミュニケーションをとることです。「(人が)オレの言うことを分かってくれない」と文句ばかり言っている人は、相手が分かるようにする力が自分にないという見方も必要です。また、同じことを言われても「Aさんの言うことは聞けるが、Bさんの言うことは聞けない」となってしまうのは、通意性の問題です。こうなる場合、BさんよりもAさんの方がもの事がわかり、論理的に仕分けする能力が高いのです。
3.共感性
暑い日に業務を終え帰ってきた社員に「暑い中お疲れ様」と心からねぎらい、冷えたタオルを渡すのも共感性のひとつです。こういった相手を想いやることを忘れてしまうと、組織は上手くいきません。私はこういう氣持ちはずっと持っていようと大切にしてきました。人に無関心であったり、してもらって当たり前の人が信頼されることはありません。共感性がもっと高い次元にいくと、相手に対する愛情になります。
これらの上に成り立つのが信頼です。
要望性と通意性を出すには、おかしいと思うことには「それは違う」と異議を唱える勇氣と、相手が分かるように説明する力が必要です。
信頼はもの事が分かる大きさに比例します。他人から信頼されないと思うのなら、自分がもの事が分からないのだと反省しましょう。学ばなければ何を言おうが、その場を取り繕おうが、信頼を得ることは出来ません。そして、信頼がなければ、組織の中でまともな仕事をすることが出来ないのです。本当に変化、成長したい、周りの人から信頼される人間になりたいならば、本氣で学んで下さい。全ては学ぶことから始まります。
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