12月和合塾定例会 12月8日(水)

12月和合塾 定例会

【テーマ】 「 2010年を振り返って 」


教育部課長  K M

 本社では毎年、仕事始めに書初めをしている。

今年私は、先が見通せず変化する時代に考え方の芯棒がないとブレてしまうと思い「芯」と書いた。

自分の考え方と行動の芯棒を持ち、辛抱する(自分をより深く知り、エゴをコントロールする。向上心を持ち続ける)ことで、信頼・信用を少しずつ大きくすることができる。私たちはそのために学んでいる。

社内では6月に社長が交代したことは大きな変化だ。

それで何か急に変わる訳ではないが、お互いに「どうすればいいのだろう」と手探りの状態で、今までやってきたこと、目の前のことに対応してきた氣がする。
 社会全体も方向がはっきりしないまま景気は低迷し、就職先が見つからない新卒者が増えている。子育て中の奥さんが働きたいと思っても子供を預ける場所がなく、親の世代は年金に対する不安が消えない。

すべての年代の人が生きづらい、甘くない時代なのだと実感する。

物流業界でも生き残りをかけ激しい競争が行なわれている。そんな中で漠然とした不安や焦りを感じるが、こういう時に自分のこと、目先のことだけ考えはじめると、もっと状況は悪くなると日頃教わっている。
 今、大切なのは自分の言動(言葉や行動)に責任を持つこと=つながり(もの事のつながり、時間のつながり、人とのつながり=縁)を考え、大切にすることだと思う。「私は本氣で学んでいない」という反省も、一見正直に聞こえるが、これまで過ごしてきた時間、お世話になった方の氣持ち、自分が約束したことを忘れてはいけない。

そのつながりの中で考えると、約束したことを守り、教わったことを考え実践し続け、少しずつでも変化するため努力をすることが、正直であり誠意だと思う。

その結果として、胸を張って生き、お世話になっている人に自分から近づき、節度ある行ないができる。
 「ものが分かるようになりたい」「事故をなくしたい」「支店を良くしたい」「家族を幸せにしたい」と思ったら、言うだけでなく「やる」と決めたことを行動に移すこと。行動しなければ何も変わらない。結果はすぐには出ないし、怠け心に負けそうになるが、小さな努力を積み重ねた結果として、ある時、何かに氣づき、今まで分からなかったことが少し分かり始める。

新年を迎える時はわくわくし、その氣になって目標を立てる。

しかし、時間の経過とともに、できていないこと、やっていないことが増えてくる。そのことを深く考えず「来年こそは!」と、現実とあるべき姿を切り離してしまうと、また同じ事を繰り返してしまう。反省することを大事にしよう。
 この時期に思い出すのは、相田みつをさんの詩だ。

お互いに命=時間には限りがある。やればできる=やらなければできない。

指導してくださる方も、一緒に学び戦う仲間もいる。

それなのにやらないのはもったいない。誰かが何とかしてくれるのを待ち、葛藤を恐れ縮こまっているのではなく、自分で考え、判断し、実行し、結果に責任が持てる力をつけられるよう学んでゆこう。


取締役営業推進本部長 M K

 岡崎支店に乗務職員として入社し、事務職員となり、その後、黒川支店の管理者として8年務め、今年の6月に現在の役割をいただいた。

1月の時点で行なった書き初めには「対応力アップ」と書いた。

その場その場の対応で右往左往するのではなく、問題を元から解決するためには何が必要なのかを考え、次の6項目にまとめた。

1、安全活動の推進 2、明るく働きやすい職場をつくるため、各自の役割と責任をはっきりさせ、やるべきことをやり人間関係を良くする(組織開発) 3、新しい仕組みづくり 4、正しい情報をもとに自分で考え、理解したことを仲間に伝え、共感できる仲間をつくる 5、今ある仕事を大切にする 6、新規営業開発
 私たちは組織の中で生かされている。その中で周りの人に役立ち、自分の居場所をつくるためには、もの事が分かるよう学ぶことが欠かせない。

私も苦手なことが色々あるが、新たな役割をいただく度に様々なことを教えられ、体験してみることでものの見方や考え方が変わってきた。
 大宝の素晴らしさは自分の人生について考える機会があり、一緒に学び働く仲間がいて、様々なチャンスがいただけることだ。

自分を活かし、人の役に立つことが出来る。教育というとおこがましいが、人に教えることで自分が教えられる。

「共に育つ」ことがベースだと考える。そういった大宝の良さを大事にし、つなげる力をつけてゆきたい。


伊藤塾長講話

 現状をつくり出しているのは「学ぶ文化」の低下。

 本氣で学び、おもしろい会社をつくってゆこう

 現在、日本の経済はデフレと不況の間に入っています。

政府が卒業後3年以内の既卒者を新卒扱いにするよう企業に要請していることも、世の中はこれから先もしばらくは良くならないというサインです。

実際に社会は右肩下がりできています。それよりも激しい形で企業が右肩下がりになっているということは、船底に穴が開いているということです。

従来と同じことを考え、やっていては、ますます浸水が激しくなります。個人も組織も学ばなくても何とか飯が喰える時代は終わったのです。
 社内も社外も人間関係の基本は挨拶です。

まともに挨拶ができなければ、良い人間関係はつくれず、まともな仕事も出来る訳がありません。

「社員七則」の一番に掲げ大切にし、「日本一挨拶の良い会社を目指そう」と言っていた時期もあります。

本氣でやっていれば、仕事の質も日本一に近づいていたかもしれません。

まともな挨拶が出来ない社員が増えていることが、業績という結果として出ている数字をつくっている原因の一つです。

社内制限速度の厳守についても、高速道路だけでなく一般道路でも守っているか考えて下さい。もの事は一度崩れ始めると、立て直すのは大変です。まじめに考えなければなりません。
 私たちは優勝劣敗の資本主義社会の中で生きています。

今のままの大宝でいけば、劣敗の方に入ってしまいます。年齢に関係なく学んで自分の知恵をつくり努力をする競争を放棄した時、個人も組織も命運はつきます。嫌なことですがまじめに考えなければなりません。格好をつけるな、やっているふりをするなと、何十年も言われているはずです。

それでは資本主義社会の中で勝てる訳がありません。自分がこの一年間で、どれだけ変化したかを考えてみてください。
 仕事にも「創造的な仕事」と「中間的な仕事」と「不必要な仕事」があります。

身近な改善を行ない時間やお金を合理的にできるようにすることも創造的な仕事です。

事故が起きなければ発生しない事故処理などは本来、不必要な仕事です。

保有台数200台で年間200件の事故が起きていた30年前の大宝では、役員も管理者も迎合するため、事故担当者が社内で一番威張っていました。

そんな状態では個人も組織もまともに成長しません。

一番大切な仕事は事故をなくすことなのです。学ばなければ、誰もこういうことを不思議だと思わず、船の浸水はますますひどくなる一方です。

本来不必要な仕事をしてぶら下がっていれば、その時は楽ですが、こんな人ばかりが増えると、組織はもちません。
 それぞれの立場で創造的な仕事が出来るよう学び努力している人が少ないということは、組織全体の学ぶ文化が低下しているということです。

学ぶということが大宝の文化の基本です。

何十年もかけてつくってきたものも、半年や一年で壊れてしまいます。

一度壊れたものを立て直すことは大変ですが、みんなで本氣になって何がおもしろいのかを考え、おもしろい会社にしてみてください。
 今日は厳しい話をしましたが、これから難しい世の中を生きてゆかなければなりません。それを乗り越えられる力となるのが、学ぶ文化です。

それを大事にできるか、今後も持ち続けることが出来るかどうかが問題です。

金儲けは、学び、努力した結果です。しばらくは厳しい時代が続きます。

10年20年それ以上続くかもしれません。それでも会社に来て仲間と話し合い、交流し、楽しいと思える組織にしてゆきましょう。

年末は多少忙しくなります。くれぐれも氣をつけ、落ち着いて対応してください。

運転中危ないと思ったら止まりましょう。
 一年間ありがとうございました。


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