今年は長年お世話になっていた愛知県勤労会館の閉館に伴い会場が変わり、実行委員のみなさんは大変だったと思いますが、だから楽しかったとも言えます。
個人も組織も同質のぬるま湯に入っていると、刺激を無くします。
「もう歳だから、そんなに頑張らなくてもいいだろう」と思っていた松下さんが、実行委員長のチャンスが来た時に受けて一所懸命やったのも、ぬるま湯からの脱却です。ずっと全社行事でビリだった四日市支店が、上位入賞を続けているのも、同質のぬるま湯からの脱却です。
同じことの繰り返しでは、何も変化しません。変化を起こす時は、どこかに無理も生じますので、須藤さんが発表していたように日常の人間関係を見直すことは大切です。
しかし、この無理に耐えることが出来なければ、新しいものは生まれません。ぬるま湯に浸かったカエルは、少しずつ湯の温度を上げても氣づかず、最後は茹で上がって死んでしまいます。人間も同じです。
日頃、面白くないのは、自分が持っている力を最大限発揮していないからです。
もの事を面白くするためポイントは「ぬるま湯からの脱却」と「ベストを尽くす」ことです。そのために必要なのが、
@自己否定する勇氣(例えば、「もう歳だから」と言い訳している自分に氣づく)
A選択する勇氣(両方の都合の良い部分だけ選び取るのではなく、片方を選んだら、もう一方は捨てる勇氣)です。
この2つがあり実際に行動するから、結果として面白くなるのです。最も正しいものを選択するには、もの事が分かる人に相談することが重要です。
毎年文化祭を行ないますが、新しく入社した人の大半が最初は無関心です。
まずは関心を持ってもらえるよう働きかけ、どうしたら支店の力を集中できるかを考え実践して行くのがリーダーの役割です。リーダーにその氣がなければ、うまく行きません。
「何の為に文化祭を行なうのか」を考え一所懸命取り組んだ人は、自分の意識化につながり、会社を去っても心に残り一生忘れません。
そういう思い出があることは幸せです。もっと成長すると意識したことが自分の身につく自覚化の段階にきます。どうせ学ぶなら途中で満足せず、自覚化できるものをつくるまで一所懸命学び続けて下さい。
文化祭で最も大事なのはシナリオです。会社の経営もシナリオが大切です。難しいのですが一所懸命考えつくって下さい。
明治初期、戊辰戦争で負け厳しい窮乏の中にあった長岡藩に、救援のための米百俵が贈られました。
食べるものにも事欠いていた藩士は喜びましたが、藩の大参事小林虎三郎は、この米を一日二日で食い潰すのではなく、明日の長岡藩を立て直すための人を育てる学校建設に使いました。
組織も同じです。目先の損得ばかり優先する精神的乞食が増えると、組織は崩壊します。
辛抱するところは辛抱し、明日を切り拓いてゆくことです。
実行委員も演じた社員もみんなありがとう。
|