和 合 塾 で 学 ぼ う

4月和合塾定例会 2012年4月4日(水)

4月和合塾

【テーマ】 「大宝の安全活動って何?」


Nグループ

西春支店 安全委員 菊谷 真一

 大宝に入社する前から自分のために道交法は守っていたが、酔っ払って路上で寝ている人がいても素通りしていた。

自分さえよければ良いと思い、面倒なことに巻き込まれるのが嫌だった。

今は安全活動とは運転している自分を見つめ直す活動だと考えている。

自分の強欲さを知り、コントロールしたり、他人に配慮や思いやりを持ち、他人の幸せをもつくり出すことが出来るようになりたい。
 入社当時、全社スローガン「自分のために、家族のために、みんなのために、事故の無い明るい大宝運輸をつくろう」の順番が大事だと教わった。

自分と家族とみんなの間の差を縮めることが大事だと思う。

自分以外の人に働き掛けるにはエネルギーが要る。私は相手に求めすぎるところがあるので、自分に原因を求め成長につなげたい。
 最近は一人でも危ないと感じたことは活動に活かすことと、相手の名前を呼んで話し掛けることを意識している。

その方が自分に言ってくれていのだと嬉しくなる。

自分がしてもらって嬉しかったことは行ない、されて嫌なことはしない。

怖いのは指摘されることではなく、無関心になることだと、大宝の安全活動で学んだ。3年前、私は事故で相手の方が亡くなり、本人やご家族に深い悲しみを与えてしまった。

そのことを忘れず安全活動にもっと興味を持ち、考え、自分を成長させてゆきたい。


Jグループ

犬山支店 安全委員 O K

 32年前に18歳で入社。車輌知識もなく、2年間で5回ほど事故を起こした。

当時も安全委員がいたはずだが記憶に無い。

その後、安全活動が厳しくなり事故が激減したが、窮屈だと感じ「なんで草刈が安全活動なんだ」と仲間の足を引っ張っていた。

「自分は事故をしない」と思っていたので、運転は怖くなかったし、死ぬなどと考えたこともなかった。そして事故を起こすと「相手が悪い、運が悪かった、仕方ない」で済ませていた。
 20年前、伊藤塾長から厳しく叱られ指導を受け、経営学習会で学び、今までいかに人に迷惑を掛けてきたのかを知り恥ずかしかった。

先頭を切って足を引っ張ってきた自分が安全委員になることに抵抗と氣恥ずかしさはあったが、「今日から180度変わります!」と支店で宣言し氣が楽になった。

当時は安全委員会に熱氣があった。

情熱を持ち活動する安全委員が多く、本氣で怒る当時中川支店の栗原さんや、若い人の面倒を親身になってみていた同じ支店の中尾さん、谷川さんに刺激を受けた。

やんちゃな人もいっぱいいたが、本当に悪いことをする人はいなかった。

そういう人に伊藤塾長は「学んでそのエネルギーをパワーに変えたらすごいぞ」と可愛がって下さった。
 事故は悲しいので事前に注意をするが、伝え方も悪くてなかなか伝わらない。

危険の感じ方は人によって違う。

それを高めないと事故につながる危険性がある。トラックの運転は簡単そうだが奥が深い。

考え方や知識、技術が必要で、一瞬のうちにいくつのも判断をし続けなければならない。

今後、自分の知識や経験をもったいぶらずに若い人に伝え、何でも言い合える関係をつくりたい。


Lグループ

金山支店 支店長 上杉 超治

 安全活動はどの会社にもあるので、「大宝の」という点が大事。

私は6年前金山支店に管理者として赴任するまで、犬山支店で乗務職員として12年、事務職員として2年勤めた。

入社当時は目立つことが好きで大騒ぎをする一方、人から何か頼まれると断ることも出来なかった。

中身が無い自分を隠すために、悪ぶったり茶化したり。その場を取り繕いごまかしながらいつも人を警戒し、相手を見て迎合したり、威圧したりしていた。

そうやって必死で自分を守っていたのだと思うが、「もう、どうでもいいいや。いつ会社を辞めてもいい」と半ば自暴自棄になっていた。

そんな中、事故を起こし、プライベートではスピード違反を起こし免許停止になった。支店にも迷惑をかけ1ヵ月後にやっとトラックに乗れると思ったら、「国は許しても大宝は許さんぞ」と叱られた。
 私は子供の頃の悲しい出来事と、その時受けた心の傷により、人が怖くて信じられなかった。

自分を出さずに人のまねばかりしてきた。「人が怖い。自分の人生なのに、どう生きていいのか分からない」。

これまで誰にも言えず心に閉じ込めてきた思いを、32歳の時伊藤塾長に初めて吐露した。

塾長は「甘ったれるな、世の中は分からんことだらけだ。分かるために学ぶんだ」と叱り、学びへと導いて下さった。

自分で捨てた人生を引き戻していただいたと、今も感謝している。

阿呆で強欲で小心な自分を隠すのではなく、あると認め合いながらズレを小さく出来るように学ぶ、分かることや出来ることを増やす、自立した関係の中で助け合い支え合える仲間をつくる。

学んでもの事が分かる努力をし続け、変化成長してゆくことが、大宝の安全活動。日常では自分にとって不都合なことが起きる。何とか隠せないかと思うことも有る。相手ばかりを責め責任を逃れようとするケチな自分もいる。

そんな自分をコントロールし、器を大きく出来るように学び続ける。


事務局

教育部課長 K M

 帰宅時に高速道路の料金所でお金を払う時、係りの方が助手席から聞こえる伊藤塾長の爽やかな挨拶に驚き、「ありがとうございます。お氣をつけて!」と笑顔で送って下さる。

単調な業務をロボットの様にこなすのではなく、喜びを感じプラスアルファーのサービスを提供する姿は美しい。

それを引き出すのは、伊藤塾長の人間や仕事、お金に対する価値観と人間性なのだと思う。いつも相手に関心を持って接し、仕事に対する敬意と受けるサービスに感謝を表わされる。
 仕事は自分と家族と周りの人を幸せにするもの。仕事を通じて人に役立ち感謝される喜び、達成感、失敗による氣づきなどを学び成長出来る。

しかし物流業では一歩間違えば命を落とし、人の命を奪う怖さと悲しさがある。

35年前に伊藤塾長が入社され本氣の安全活動が始められたのは、社員を人間として大切にしたいという愛情から。

しかし、もの事が分からないうちは、事故の怖さも、生命のはかなさも、自分を大切にすることも分からない。

私も入社当時は何も分からず、まず自分のことを知ってもらいたい、相手のこと、会社のことを知ろうと、支店訪問を積極的に行なった。

相手のことを知り行動を共にすることで、関心と配慮と共感が生まれる。

自分のことを氣にかけ、努力を認め、叱ったり教えたりしてくれる人がいる時、「その人に心配をかけてはいけない」と考える。分かっているふり、やっているふりをせず、本氣で学んで自分を知り、価値観をつくり、より大きな目標を持とう。

色々な人と知り合うことで互いの違いも本質的に同じだということを知ろう。

そして出来ることを喜んで実践しよう。

楽しみながら自分を大きくし、周りの人も面白くなるようにすることで、結果として事故を少なくしてゆこう。


伊藤塾長講話

 今日は4人とも自分が実際に経験したことを話してくれたので、とてもキレのある良い発表でした。

安全活動は「人間活動」です。

学んで自分を知り成長させ、他人を知り成長することの一部が安全活動なのです。学んでもの事が分かるようにならなければ、何をやればいいのかも分かりません。

事故件数は少ない方が良いのですが、小さな事故も隠さず原因となった自分や人間がわかり変化する努力をすることが事故を減らしてゆく基礎です。

それが人間を大切にするということです。
 私も大宝で色々なことを学びました。35年前はひどい業界でした。

自分が事故を起こしても、みんな相手が悪いと言い、業務が暇な時に社員が近くのパチンコ屋か競輪場にいることもありました。

そんな時に理屈だけ言っていても仕方ありませんので、首根っこをつかまえて怒ったり、時にはビンタをはって教えることもありました。

しかし、いつまでもそれでは済まないので、基本的な考え方や約束事を徹底する安全活動を展開してきました。

今後、より大きな枠で「人間活動」を活発に行ない、より良い人間関係をつくり、もの事をよく分かり深めてゆくことが必要です。人間は真面目に学べば、必ず変化します。
 大きな見方をすると、その中で一番嬉しいのは、自分が少しでも人の役に立てると認識出来る時です。

嘘やごまかしばかりでは、人の役には立てません。

良い恰好をするため、若干の言葉を覚えるために学ぶのではありません。

本当のことを知り身に付けるために学ぶのです。

約2500年前、中国の学者である荀子は「ヒトは学んで人間になる。学ばない者は人間ではない」と言っています。

人を脅しておごらせたり、物を奪うのは、人間ではなく精神的な乞食です。

楽しく学び、もの事が分かる条件をつくって下さい。


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